はじめに
EACというソフトを使用して、前述のオフセットの設定をきちんと行えば、完全なクローンCDが作成できます。
しかしながら、この行為は厳密には違法ですので、配布などは行うことができません。
古くなったCDで、”ランダムエラー”とかがしょっちゅう起きているCDであれば、EACがデータ補正を行ってくれているはずなので、
原版より正確なCDを作成できるということになります。
ただし、CDコピーは著作権の問題がありますので、取り扱いにはくれぐれもご注意ください。
CDからの読み込み
まずは、EACを起動して、”アクション”−”ギャップ検出”を行います。
通常この操作はいらないのですが、この時ごくまれにギャップが数十秒とかの普通は考えられない数値を示すものがあります。
これはギャップの読み込みエラーが発生していると思いますのでやり直します。
私の所有しているものは、何回かのやり直しでうまくいきました。
次に、画面の左側にある”IMG”ボタンを押します。
WAVEファイル名を適当につけて実行すると、イメージファイルの作成を実行します。
EACでのリッピングは、CDの状態が悪い場合は、ゆっくり読み込んでいきますので、数倍速に速度が落ちることもしばしばで、
非常に時間がかかるものもあります。
CDメディアへの書き込み
画面の左側にある”WRI”ボタンを押します。
CDレイアウトエディタ画面が起動するので、”ファイル”−”CUEシートの読み込み”を行います。
ファイルは、WAVEファイル名と同じで拡張子が”.CUE”で作成されていますので、これを読み込みます。
”CD−R”−”CD書き込み”で書き込みを行います。細かい操作は、EACの指示に従ってください。
追記:
EACオプション−書き込みのCDRDAOを使用するだと書き込みできないことがあるようです。
古いCDのバックアップ
私の所有している20年ほど前のCDで、記録面の反射層であるアルミが腐食している”かなりやばい”ものが存在します。
こちらがその写真
画質を落としているので見にくいのですが、丸く黒く見えるところのアルミがドーナツ状に無くなって、光に照らすと向こうが見える状態になっています。
さらにはこの黒く見える場所以外にもぽつぽつと穴が空いている場所がたくさん存在します。
これではとても再生などできないと思うのですが、まだ聞くことができます。
反射層がなくなった場所でもプレスの形状は変わっていないはずなので、光が反射して返ってきて読み取れているのかもしれません。
いずれにしても、CDは昔のレコードであれば考えられないような”ロバスト”設計になっていると言えます。
さて、上記のCDをEACでリッピングした場合の結果です。さすがにエラーが何箇所か発生しました。
疑いのある位置 0:20:20 - 0:20:21
疑いのある位置 0:20:23
疑いのある位置 0:20:25
疑いのある位置 0:20:27
疑いのある位置 0:20:30
疑いのある位置 0:20:37
疑いのある位置 0:20:48
疑いのある位置 0:20:51 - 0:20:56
疑いのある位置 0:20:58 - 0:20:59
疑いのある位置 0:21:02
疑いのある位置 0:21:04 - 0:21:06
疑いのある位置 0:21:13 - 0:21:16
疑いのある位置 0:24:11
疑いのある位置 0:24:16
疑いのある位置 0:24:22
疑いのある位置 0:24:25
疑いのある位置 0:45:24
疑いのある位置 0:56:22 (ここがこのCDの最後)
書き込み速度は4倍速とかなり遅めに設定して、CD−R(700MB/80分)に書き込みました。
20分過ぎのエラーが多発した部分を耳を凝らして聞きましたが、私には異常を感知できませんでした。
エラー訂正できなかった場合でも、聞いてもわからないぐらいにデータ補完してくれるのでしょうか。
このバックアップを取ったCDのリッピングを行ってみたところ、何度かEACのエラー訂正のシグナルが点灯しましたが、
エラーは発生しませんでした。
音楽CDはデータCDと違い、ビット単位まで完全に同じデータのコピーは理論的にできないのですが、EACを使用すれば、
かなり完成度の高いコピーが可能です。
※おまけ
CDの構造
CDの記録面
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